センター現代文一問一答必修編
第 19 講 小説
第 19講
次の文章は、森鷗外の小 亀 かめ 蔵 ぞう に殺害される。宇平は叔父 れない厳しい旅である。諸国を ていた。本文はそれに続く場面であ 文吉がこの話をした翌日 朝であった。相宿 もし一匹のきまった虫を取ろうとするのだと、蜘蛛の網は役に立ちますまい。わ い出しそうにしてまた黙ってしまった。 「どうしたのだい」と叔父が言った。 「実は少し考えたことがあるのです。 」 「なんでもいいから、そう言え。 」 「おじさ 。あなたはいつ敵に 「それはお前にも分かるま が、 「そうでしょう。
つのがいやになり し 。 」 「随分己もお前も方々歩いてみたじゃないか。 」 A 「 ええ。それは歩くには歩きましたが」と言いかけて、宇平は黙っ
制限時間
蜘 く 蛛 も は 網 い を張って虫の掛かるのを待っています。あれはどの虫でもいいのだから、平
護 ご 持 じ 院 いんが 原 はら の 敵 かたき 討 うち 』の一節である。宇平の と、唯一敵の顔を知ってい 5 分 九 く ろ う え も 郎右衛門
逢 あ えると思っていますか。 」
己 おれ にも分からんのう。 」
摂 つ の く に や 津国屋
に入った三人は、日々、乏しく
。
三 さ ん え も ん 右衛門
は、ある夜、藩邸に金目
僥 ぎよう 倖 こう を当てにしていつまでも待
実施日:
膝 ひざ を進めて、何か言
月
日
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