センター現代文一問一答必修編

第9講 評論

次の文章を読んで、後の チ (注1) ェーザレ・パヴェーゼの日記に ……という結論になる」といった記 した出来事ではなく、きわめて抽象的な 浮かんでくるようだ。日記(いちいち断るの 個人がその内面を書き記した日記)をつけること ブルジェであれば、病はここで極頂にまで達したと評 にとって、日記はただ毎日つけるだけでは十分ではない。 再読と記述の追加と 、日記を書くという行為の何か本質的な というのも、ここでは日記を一つの保存装置、とりわけ《自己》を であれ、 保存するということは、 その保存したものを将来いつか取り出 たジャムをいつかは食べるなど まったく考えもしないで、瓶に密封する 保存したことそのものを忘れてしまう場合はあるけれども――われわれの多く しパヴェーゼは、けっして忘れることなく、ときどき瓶のふたを開いてはジャムを 読みかえし、そのうえ新たな味つけまでしているのだ。つまり保存という作業の基本を だがそれにしても、保存するものがジャムであるのと自己であるのとでは、保存の姿勢がず 第9

制限時間

5 分

実施日:

j (注2) ournal intime

正しくは

ポ (注3) ール・

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