センター現代文一問一答必修編

保存は、 の対象はある 殖をつづけてゆく ろ蓄財やあるいは切手 る――少なくとも最初から えず帳簿に目を通さなくてはな めたものがたった一つでもなくなれ 古代以来の日記文学の伝統のあるわが国 源があるようだ。言いかえれば、自己の内 は一方で資本主義、他方で個人主義という、と 実のものとなった。収集がただの趣味以上のもの とであって、 となるのはいつでも他の財と交換 可能な財であり(たとえ めの手段という性格を多少とも残しているのにたいして、日記に れゆえにこそ、日記においては手段の自己目的化が蓄財や収集にもま

(注)

4 ブルジョワ

2 3 ポール・ブルジェ

1 チェーザレ・パヴェーゼ

journal intime

A ここでも同じ原理が作動している

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― ―― イタリアの詩人(一九〇八~一九五〇) 。 フランス語。ここでは「内面の日記」の意味。 フランスの作家、批評家(一八五二~一九三五) 。 ここでは近代ヨーロッパの有産者。

措 お くとして、ヨーロッパにおいては、日記 はずである。ただし、財の蓄積、保存とは言っても、収

綴 つづ るということは、自己を一種の財と見なし

日 ひ 毎 ごと ふえてゆく収集品を前にしてほ 貯 た めたお金で家を購入する) 、したがってこの保存はまだ目的

 (富永茂樹『都市の

ブ (注4) ルジョワ社会においてのこ

憂 ゆう 鬱 うつ 』による)

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