センター現代文一問一答必修編

バッハが 晩年のモーツァルト 清らかな作品を書き続けた ルトが貧乏したのはビリヤード ベートーヴェンを描いた肖像画や彫 紀後半以降に急速に普及したものである な意志力をもって一生を闘い続けた作曲家 たともいえるのである。 これらの「神話」の多くが近代的な聴取形態の確立 もに解体したのは偶然ではない。この種の「神話」は、 粋鑑賞」の精神の所産であるということができるからである この種の神話の多くがその作品を作った作曲家 人格や作曲家 きたい。聴き手は作品を聴きながら作者の人格や個性を感得し、作曲 するという行為が、まさにそのようにあるべきだと考えられてきたからで 露であ 限りにおいて、作品を純粋に鑑賞するとはそのようなことなの された行為は真の鑑賞とはいえないということ なる。 ところがここに一つのパラドックスがある。作品を純粋に鑑賞するということは、同時 に集中するということをも要求するからである。学者でも 限り、聴き手は鑑賞 際に現 タの作曲年代 ヒに移って間もな

敬 けい 虔 けん なルター

眼 め にする、あの眼光鋭い強そうな顔は

馳 は せる。それは作品を鑑賞

教 (注1) 会カンタ

強 きよう 靭 じん

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