133
からひによ 許しありて、入
へたまはせ などし
なりぬれば、身に余り
の奥に下るきざみ、先の宮
き志をめで給ひて、琴を送られ
ある琴なりき。これに歌そへよとあ
一筋に思ふ心は玉琴の緒によそへつつ
きや伝へむ
家なども、もとよりは広く清らに作りなし
て、めぐりに松子植ゑわたし、移り行く月
日にそへてめではやししを、こたみ公より蝦
夷が千島に防守を置かるることあ て、 の
国よりもまづ出ださるるによりて、その数に
指されて、出で立たむとす。 「行き帰るまで、
さる広き家に女子のみ置きては守りがたし」
とて、家をば売り、女子は人のもとに預けて
行く。その心にかは て、
かねて願っ
鷹飼
いは
身に余る光栄だ
鷹飼いが
陸奥の田舎に下
の宮家に仕える人が
をお褒めになって、琴を
あった。
「
この琴に
和歌を添えよ」 と
宮家に仕える人が言うので、
鷹飼いが詠んだ歌は、
一筋に…=風流を一筋に思う心は、
いただいた
美しい琴の
一筋の弦にこと寄せつつ弾き伝えましょう
鷹飼いは
家なども、もともとことさら広くきれいに作っ
周りには松をぐるりと植えて、移りゆく月日ごとに
たが、このたびお上から蝦夷(北海道)の千島に防守を
になるという通達があって、真っ先にこの
陸奥の国
からも兵を
お出しになるために、
その鷹飼いが
その員数の一人に指名され
て、
蝦夷へと
出立することとなった。
鷹飼いは
「
千島へ
行って
帰っ くるまで、そのよ な広い家に女子どもだけを置いてお
いたのでは家を守ることはできない」と思って、家を売り、女
子どもは人のもとへ預けて出かけた。その折の
鷹飼いの気持ち
に
なり代わって
私が詠んだ歌は、




