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第8講  『とはずがたり』(石川雅望)

口語訳の

文法に忠実な訳

単語に関しては、

設問に「適宜言葉を補

※その場合、解答欄の大きさを

A「人わろければ」を品詞分解すると

なっているので、 「~(た)ので」と訳す。

次に、 「人わろけれ」は形容詞「人わろし」の

ように、 「あまりよくない様子」を表すが、ここで

判断して訳す必要がある。実は「人わろし」という形容

ていれば簡単に解ける 、知らない前提で見ていこう。

前書きを読み、古文を最初から追っていくと、贈収賄事件に連

の処罰を受けた筆者石川

まさもち

が、正覚寺に行きお墓に今回の不孝を報告したあと、その帰りに哲相

訪れる。しかし、ここも立ち入りを許されているところではない。

罪人が寺院にあまり長くたたずんで

いるのは「人わろければ」 、慌ただしく「と まかでぬ」という流れ

であることをつかむ。

罪を犯し、江戸から追放される人ならば、当然人目を気にせざるをえない と