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興あり、え 入らせ給ふ。さ
れぬ数には思はじも
さするわざせんと、な
怨めしきに、これをさも思
おもしろきこと、と思さるるぞ
しき人の御癖なる。御返し、上
雲居なる千代松虫ぞ宿るべき君が磨
ける玉の台に
事しもこそあれ、いつしかねぢけたる御
祝ひ言なりや。待ち見給ふ御心地は 顔
うち赤みて、 いとど身のほど心おごりし、
上の御ならはし・御心ざ をぞ、この世
のみならず思ひ続け給ふ。
我が御殿の三条院のおほかたの寝殿に
はあらで、また磨き造らるる西面に、九
間ばかりなる所に、雛屋を作り続けて、
九重の中の有様、旧き名所名所も、変は
たとき、
大将が
じっと覗い
人が申しました
は、たいそうおもし
思いになって、満足そう
大将が
姫宮のことを
世間並みで何の気持ちも起こ
ろうが。 何とかして
大将の
心を動かすようなことをしようと
まったく思い通り らない
大将と女たちとの
仲を残念に思ってい
たが、
大将がこの姫宮を
それほどにお思い申し上げるとしたらおも
しろいことだ」と帝がお思いになられるのは、
お返事の歌は、帝がお詠みになった、
雲居なる…=宮中に住む千年も栄える松の名を持つ松
たが磨き上げた豪華な建物に住むことにな ように、
今は宮中に
いる姫宮はいずれあなたの邸に住むことになるでしょう。
こともあろうに、早くも遠回しではあるが
大将と姫宮が結ばれる
ことへの
お祝いの言葉であることだ。お返事を待ち受けてご覧にな
る
大将の
お気持ちは、顔を紅潮させて、
帝から大切に思われて
いっ
そう自分の身の上を得意に思い、帝のお引き立てやご愛情を、現世
だけのものでなく
前世からの因縁によるものと
つくづくお思いにな




