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らず写し作 これよりほかの
給ふを、 「何ごとぞ
煩ひ聞こえけり。我が
ろなることかなとをか 。
我ながら言ふかひなやと思ふ
なる虫にも宿を占めさす
かつはをこがましう、 かるいたづら
ごとのし置かるるも、上の空なる心化粧
なり。そ 年も暮れぬ。
る。
大将はご自分
く磨き上げてお造り
形用の小さな家を次々と
所の風情も、そっくりそのま
や何やと、
人形の家を作ること
以外のことは何もしないで飾りつ
ていらっしゃるのを
周囲の人は
「何ごとだろうか」と、互いにつ
つきあって面倒なこととお思い申し上げて
大将は
自分自身の
お気持ちにも、自分でもよくわからないままに
にしてしまうことだなあとおかしく思われる。
その時大将が詠んだ
歌は、
我ながら…=自分でもどうしようもないことだと思うこと
す。野にいる虫にまで家を占有させるのは。
大将は
一方では馬鹿らしく思いながら、このようなつまらないこと
をして置かれるのも、心が落ち着かないまま
姫宮に
よく見られよう
と思う気配りである。その年も暮れた。




