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女房の方にはいと
まりに、 わが御身一つ
し集めて、 女房達を打たせ
るを、 ねたきことなりとて、 東
はせて、 十八日には御所を打ち参ら
ふ事を談議して、 十八日に、 早朝の供御
程に、 台盤所に女房達寄り合ひて、 御湯殿の
の口には新大納言殿・権中納言 あらは 別
当殿、 常の御所の中には中納言殿、 馬道に真清
水・さぶらふなどを立て置きて、 東の御方と
二人、 末の一間にて、 何となき物語して、
「一
定、御所はここへ出でさせお しま なむ」
と言ひて待ち参らするに、 案にも違はず、 おぼ
しめしよらぬ御事なれば、 御大口ばかりにて、
「など、これほど常の御所には人影もせぬぞ。
ここには誰かさぶ ふぞ」とて入らせお し
女房の側にとって
ことに、
院
ご自身だけではなく、お
めなさって 女房たちを打た
わることだ 思って、
私は
東の御方と申し合わせて、十八日
は院をお打ち申し上げようということ
早朝のお食事のすんだころ、台盤所に女房
御湯殿の上の間の戸口には新大納言殿、権中納
別当殿、常の御所の中には中納言殿、馬道には真清
ふ(=女房の名前)などを立てておいて、
私は
東の御方と二人、
末の一間でとりとめのない雑談をして、 「きっと、院は こ
出ていらっしゃるでしょう」と言って待ち申し上げると、案の
定、
院は
思いもかけられなかったことなので、大口袴だけで、
「どうして、こんなに常の御所には人影もないのか。ここには
誰か控えておるか」とおっしゃって入っていらっしゃったとこ
ろを、東の御方が抱きとめ申 上げる。 「ああ困った。誰かい
るか、誰かいるか」と
院は
おっしゃるけれども、すぐかけつけ
第1講
『
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