Table of Contents Table of Contents
Next Page  91 / 125 Previous Page
Information
Show Menu
Next Page 91 / 125 Previous Page
Page Background

91

るこそかか 知らぬを、夢の

女房ともの言ひた

いらへいささか恥づか

え返し、そら言などのたま

がひ返しなど聞こゆるは、目も

ましきまであいなく面ぞ赤むや。御

などして、御前にも参らせ給ふ。

勝る何事が

書いてあるたく

る。

中宮様は

、白い御召し物の上に紅

なってい 。 それに御髪がか

絵に描い あるものではこのよう

はまだ見たこともないので、夢のよ

すばらしい

気持ちがす

る。

大納言殿が

女房と話をしたり、冗談をおっしゃったりなさ

が、そのご返事を、

女房たちが

少しも恥ずかしいとも思わない

で、お答えしたり、でたらめなことを言いかけなさるの

て、

自分のご意見を

言い張り申し上げるのは、目もくらんで、

驚きあきれるほどひどく顔が赤くなってしまうことだ。

大納言

殿は

果物を召し上がりなどして、

中宮様にも

差し上げなさる。