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るこそかか 知らぬを、夢の
女房ともの言ひた
いらへいささか恥づか
え返し、そら言などのたま
がひ返しなど聞こゆるは、目も
ましきまであいなく面ぞ赤むや。御
などして、御前にも参らせ給ふ。
勝る何事が
書いてあるたく
る。
中宮様は
、白い御召し物の上に紅
なってい 。 それに御髪がか
絵に描い あるものではこのよう
はまだ見たこともないので、夢のよ
すばらしい
気持ちがす
る。
大納言殿が
女房と話をしたり、冗談をおっしゃったりなさ
が、そのご返事を、
女房たちが
少しも恥ずかしいとも思わない
で、お答えしたり、でたらめなことを言いかけなさるの
て、
自分のご意見を
言い張り申し上げるのは、目もくらんで、
驚きあきれるほどひどく顔が赤くなってしまうことだ。
大納言
殿は
果物を召し上がりなどして、
中宮様にも
差し上げなさる。